"とある春の日、つたなく初夜にふれあって"の作品情報
とある春の日、つたなく初夜にふれあって
「今日の夜さ、やっぱり、えっち、したほうがいいのかなあ」訳あり夫婦が迎える結婚初夜は、どこかたどたどしくて──。
桜舞う季節、春。「有原悠一」(ありはらゆういち)とかつて仲良しだった従妹の「向島沙紀」(むこうじまさき)は、結婚することになった。表面上は和気あいあいと接しながらも、どこかぎくしゃくした様子のふたり。そしてぎこちないまま迎える結婚初夜。それもそのはず、ふたりの結婚は恋愛の末のものでもお見合いの結果でもない、少し特殊な事情によるものだった。「……早まったかなあ」「なんで襲ってこないの?」悩みながらも踏み出してしまった人生の大きな一歩、結婚生活。ふたりは、互いに互いを気遣いながら、失われたかつての心地よい関係を取り戻そうと、たどたどしく、初々しく触れ合っていく。春の暖かな日差しにまどろむそんなある日の、優しい恋の物語。