アダルトコンテンツに「巨乳」はつきものだ。
もちろん小さいのが好きという人もいるだろうが、日本では胸が小さいことを「貧乳」などと称したりする。
他人様の胸をつかまえて「貧しい」とはいったい何様であろうか。
一方、英語圏では小さい胸のことを「cute titties」と言ったりするようだ。
「貧しい」と「かわいい」、どちらがいい表現かなど一目瞭然である。
明らかに欧米諸国におくれを取ってしまっているではないか、恥ずかしい限りである。
ともかく、エロコンテンツに巨乳というのは、家に屋根がついているくらい当たり前すぎるので、そこから抜きんでるために、エロの匠(たくみ)たちは爆乳や魔乳など、際限なく乳をでかく描き続けた。
しかし何事にも「ストップ高」というものがある。でかくしすぎて引きずって歩くようになったら、お名前に「☆」が入っている漫画の某大先生の描かれるババアと大差なくなってしまう。
コンドームメーカーが薄さばかり追うのはやめ、機能性を追求するようになったように、巨乳も巨乳を活かすシチュエーションや設定に力を入れる時代である。
そんなわけで今回のテーマは「壁爆乳」だ。
一瞬、なんだそれはと思ったが私も伊達に一日62時間ツイッターを、38時間ピクシブを見ているわけではない。
少し前に「壁尻」というジャンルがはやった。
「壁尻」とは、壁に頭から上半身を突っ込んだ状態で、尻側からは突き出した下半身しか見えず、もちろん身動きはとれない。
そして攻める側はその尻及び下半身を好き勝手にできるという、男性向けエロはもちろんBLでも使われている汎用性の高いシチュエーションだ。
顔も見えないケツだけいじって楽しいか、と思うかもしれないが、攻めるほうは「お前は下半身だけあればいいんだよ」という加虐心が刺激され、受けは身動きが取れないうえになにをされているのかわからないという恐怖や羞恥を感じることになる。
一見ギャグシチュのように見えて、なかなかえげつないドスケベシチュなのである。
つまり「壁爆乳」というのは「壁尻」の乳バージョンで、壁から乳だけが突き出ている状態だと思われる。
しかし、完璧に推理したところで疑問はつきない。
この「壁爆乳」が登場するのは『となりのおっぱいさん 俺んちのクローゼットの壁から爆乳が生えているんだが』という作品である。
漫画家兼コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。近年は切れ味するどいコラムでも人気。『ひとりでしにたい』『負ける技術』『生き恥ダイアリー』など著書多数。一日68時間(諸説あり)のツイッターチェックを欠かさない。
株式会社KADOKAWA発のアダルトライトノベル。300点を超える官能小説をデジタル初出で配信中。全作品が電子書籍なのでBOOK☆WALKER、Amazon、DMMなどいろんなサイトですぐ購入できます!
(編集部注:全年齢向けです。FANZAでは配信しておりませんのでご注意ください)