現在、ライトノベルでは「異世界モノ」と呼ばれるファンタジー系が大人気である。
ファンタジーのいいところは「なんでもアリ」なところである。
どんな非現実的なことが起きても「ファンタジーだから」のひと言で説明がつく。
そして「ファンタジー」の利点をいちばん活かせるジャンルは「エロ」と言っても過言ではない(編集部注:個人の感想です)。
過言だったかもしれないので最後に「※個人の感想です」と編集部注を入れてもらうとして、フィクション、特にファンタジーとエロの相性がいいのは確かだ。
フィクションならセックスしないと死ぬ病にかかるがほかの健康はなぜかいっさい害さない魔法のお薬や、セックスしないと出られない便利な部屋も出し放題だ。
おそらくこれをリアルでやろうと思ったら、麻薬取締法違反や監禁の罪に問われると思う。
しかし、たとえ法をファックするガッツがあったとしても、現実では不可能なプレイも多い。
特に「人外」が出てくる話はこれぞファンタジーの真骨頂と言えるだろう。
現実でもワンちゃんくらいなら使えるかもしれないが、それも動物愛護の精神に触れるのでダメだ。
このようにファンタジーとは逆で、エロと倫理の相性は最悪である。
今回はそんなファンタジーエロ界で古くから御活躍されている先輩がテーマである。
「触手」
それがパイセンのお名前だ。
「触手とはなにか?」と問われたら、こちらも「そういえばあいつはなんなんだ?」と質問を質問で返して爆殺されるしかないのだが、いちばんイメージしやすいのは「タコの脚」である。
実際、世界的に有名な日本の画家、葛飾北斎(かつしかほくさい)もタコが裸の女に絡みつく「蛸と海女」という春画を残している。
そしてタコからさらに無駄をそぎ落とし、進化した存在が「触手」である。
まずヌメヌメしているし、そこに「服を溶かせる」「粘液に催淫効果がある」などオプション乗せ放題なうえ、本数もいくらでも増やせる。
千手観音や、アジアの神々が時に数多(あまた)の御手をお持ちなのと違って、人間が手数を増やそうと思ったら人数を増やすしかない。つまり触手は神と言っても過言ではないのではないか。
これ以上続けても、手数より怒られる方面が増えるだけなのでやめておくが、とにかく手足の本数が限られていて粘液も出せない人間からすれば、痺れて憧れざるを得ない存在であり、昔から多くのエロファンタジーで重宝されてきた。
しかし、オシリス文庫が取り扱う触手は、使い古された触手ではなく、進化した最新型触手である。
「触手エステ」
これが今回の本題だ。
触手エステが登場するのは『モンスターセラピー! カラダの悩み、この子たちにお任せください』の2巻と4巻である。
簡単な概要を紹介すると、主人公アレスはモンスター使いであり、いろいろあってモンスターを使ったエステを開業することになるが、もちろんただのエステではすまず、女たちの体は火照り散らかしていくのであった……という内容だ。
漫画家兼コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。近年は切れ味するどいコラムでも人気。『ひとりでしにたい』『負ける技術』『生き恥ダイアリー』など著書多数。一日68時間(諸説あり)のツイッターチェックを欠かさない。
株式会社KADOKAWA発のアダルトライトノベル。300点を超える官能小説をデジタル初出で配信中。全作品が電子書籍なのでBOOK☆WALKER、Amazon、DMMなどいろんなサイトですぐ購入できます!
(編集部注:全年齢向けです。FANZAでは配信しておりませんのでご注意ください)