現在もラノベをはじめとしてコミックやアニメで「異世界転生もの」は人気である。
異世界転生ものとは、文字どおり、元いた世界とは違う世界に、元とは違う姿で生まれ変わってしまう話である。
現代からファンタジーの世界へ、またはその逆などバリエーションは多々あれど、異世界転生ものは基本的に転生したことにより「良く」なっていなければいけない。
「チート系」と呼ばれるように、元の世界ではうだつが上がらなかったが、異世界では無敵だったり、前世の記憶があることを活かし、事態を先読みして動けたりと、我々ボンクラが一度は考える「今の頭脳のまま幼稚園に戻れば無双できるのにな」という妄想の具現化である。
しかし、実際には戻れないし、戻ったとしても自分であることが変わらない以上無双できるのは中学くらいまでだし下手をすると小3くらいで貯金が尽きる、むしろ努力をしないため転生前より悪くなる可能性の方が高い。
よって、異世界転生ものはそんなボンクラどものために「全く違う人間になる」という、念まで入れてくれているのだ。
もちろん、「転生したら女子が絶滅してて俺の歯茎はさらに痩せていたんだが?」など、前より悪くなっているようではダメだ。
だからといって転生ものは「転生したらレベル99で美女が股間のエクスカリバーを奪いあっている件について」のように、いかにもチート人物に生まれ変わるものだけではない。
時には人間にすら転生せず、モンスターや動物に転生するなど一見不利なように見せながらもその条件を活かし活躍する、という趣向も転生もののおもしろさのひとつだ。
オシリス文庫もラノベレーベルなので、異世界転生作品はもちろん押さえてある。
エロラノベ世界に異世界転生するならやはり無敵の勇者になって、エルフや女騎士、果ては女魔王まで食い散らかし、全員棒姉妹にすることで世界平和を成しとげたいところだが、いささか平凡というか、ボンクラの寝る前の妄想の域を出ていない気がする。
そもそも、せっかく転生するのに現世でも人間の男で、異世界でも人間の男というのももったいない気がする。
だからといって「転生したら伝説のバイブとして祭壇に突き刺さっており腕に覚えのある女勇者たちが次々と股間で抜こうとしてくるんだが?」というのも若干とがり過ぎだ(編集部注:触手転生ものでちょっと似たような作品があります。>『最弱触手の下克上 なってみせます至高の肉バイブ』)。
今回紹介するのは、そんな「せっかくエロラノベの世界に異世界転生するなら」という夢を、いい塩梅(あんばい)で叶えてくれている作品である。
『ゲームの世界にTS転生』
これが今回紹介する作品である。
漫画家兼コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。近年は切れ味するどいコラムでも人気。『ひとりでしにたい』『負ける技術』『生き恥ダイアリー』など著書多数。一日68時間(諸説あり)のツイッターチェックを欠かさない。
株式会社KADOKAWA発のアダルトライトノベル。300点を超える官能小説をデジタル初出で配信中。全作品が電子書籍なのでBOOK☆WALKER、Amazon、DMMなどいろんなサイトですぐ購入できます!
(編集部注:全年齢向けです。FANZAでは配信しておりませんのでご注意ください)