エロコンテンツにおける「フェラチオ」というのはセクロスという名のハンバーガーに対するポテトみたいなもので、もはや「言わなくともついてくる」くらいの認識なので、わざわざ「この作品にはフェラチオがあります」などと書かれているものの方が少ない。
ちなみにソース不明のネット情報によると、洋ピンAVのエロバリューセットには「アナル」も標準装備として入っており、どの作品を見てもほぼアナルセックスが出てくるので、わざわざ「アナル」と検索する必要はないらしい。
逆に言うと、アナルが地雷な人が洋ピンに挑むとほぼ100%爆死するということなので、気をつけた方がいいということだ。
そんなふうにエロには外せないものとなりつつあるフェラだが、やはりセクロス前の前菜というイメージであり、尺が短いエロ漫画とかだとやらなかったり「一応やったからな!」という申し訳程度だったりするものが多く、撮影スタッフの「巻きで」というカンペが見えてしまっている。
その点「前戯をしつこくやれる」というのはエロ小説の優れたところである。
漫画に比べ小説はお時間に余裕があるため、前戯どころか世界観の説明や、行為に至るまでのキャラクターの心情の動きなども書けるし、エロいことは起こるけど本番には至らず「また来週!」などという焦らしを入れることもできる。
それをページが限られた漫画でやると肝心のセクロスが2ページくらいになってしまうので全ての説明を「ここがセックスランドか」のひと言で終わらせているものもある。
そういう手っ取り早いのもありがたいが「侘び寂びがない」「過程を大事にしてほしい」「そんなに急に挿れるんじゃあない」と思うこともなくはない。
その点、小説は世界観の理解や、キャラへの感情移入にかける時間に余裕もあり、焦らされたぶんだけゴールした時のカタルシスも大きい。
これだけエロ漫画やAVのビジュアルが進化しても、ほぼ文字だけの小説がなくならないのは「じっくり想像しながら楽しめる」というエロ小説ならではの魅力があるからだろう。
そんなエロノベルでは、挿入以外、セクロスのおまけにされがちなフェラチオにもこだわりを見せる余裕がある。
今回は、そんなちょっと変わったフェラチオが登場する作品を紹介する。
「テレポートフェラ」
ちょっと、というレベルではないやつが出てきた。
テレポートというのはいまだ人類が実現させていない夢の技術である、それをフェラに使ってしまっていいのだろうか。
このテレポートフェラが出てくるのは『社会人が築く亜人ハーレム 糖度200%のエッチなラブコメをあなたに』というシリーズの4作目である。
漫画家兼コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。近年は切れ味するどいコラムでも人気。『ひとりでしにたい』『負ける技術』『生き恥ダイアリー』など著書多数。一日68時間(諸説あり)のツイッターチェックを欠かさない。
株式会社KADOKAWA発のアダルトライトノベル。300点を超える官能小説をデジタル初出で配信中。全作品が電子書籍なのでBOOK☆WALKER、Amazon、DMMなどいろんなサイトですぐ購入できます!
(編集部注:全年齢向けです。FANZAでは配信しておりませんのでご注意ください)