新型コロナウィルスの影響ですっかり外ではマスク着用が普通になってしまった。
このままでは「お互いマスクを取った顔は見たことがない」というのも普通になり、マスクとパンツが同列になる日も遠くない。
そうなれば「口元隠して股間隠さず」ということわざも生まれるだろう。
これは「ウィルスを恐れるあまり、公然わいせつ罪のことをすっかり忘れていた」という意味だ。
しかし、全ての国が日本ほどマスクをしているわけではなく、ソーシャルディスタンスを徹底する代わりにマスクはあんまりつけていない国があったり、欧米ではマスクをつけること自体に抵抗を示す人も多かったりするという。
日本は平安時代にも口を見せるのは恥ずかしいから扇(おうぎ)で隠すという文化があったらしく、口を隠すことに抵抗はない。
一方で欧米の正義の味方は、コウモリをモチーフにしたヒーローや「米国大将」みたいな名前のヒーローなど、目元は隠しているが口元は大きく開いている。
彼らの場合「いい歳してなんて格好を!」という感想が先にくるため、口元にまで注意がいかなかったが、言われてみればそうである。
逆に、昔の西部劇などの悪者は口を布で覆っているため、欧米人はマスクに抵抗がある、と言われている。
国によって、なにを見せるのが恥ずかしいと感じるか違う、というのは興味深い話だが、全世界共通で隠されているのが「股間」である。
世界は広いので「股間まるだし族」が存在し「股間を見せないのは射殺されても文句が言えないレベルの無礼」という文化があるのかもしれないが、そこは私の無知ということでご容赦いただきたい。
文化どころか、股間の露出を法律で禁止している国も多く、日本も股間だけは隠せ、ついでに近しい人間以外には体もみだりに見せるものではない、という考え方が根強い。
よって我々は人間をまず「顔」で判断する。
人間は判断の9割を視覚に頼っており、マスクで隠れるようになったとはいえ、いまだにいちばん個性が出ている露出部分がそこなのだから仕方がない。
「顔で人間を選ぶなんて」と言うかもしれないが、初対面で「君のパーソナルカラーのオーラが見えた」と言い出す人間の方が怖いだろう。
しかし「顔で選ぶな」という意見も一理ある、顔でパートナーを選んで後悔する人間は大勢いる。
かといって「ハート」などという眠たいことを言うつもりはない、大事なのはもちろん「体」である。
そんなわけで今回紹介するのは「女の子を体で選ぶ話」である。
「つきあう前に体の相性を試そう」という話かと言うとちょっと違う。
たとえ出会って4秒で合体していても顔が見えている時点で顔込みで判断していることになる。
本作はもっと徹頭徹尾「女の子を体で選ぶ話」だ。
『はだカノ!? 全裸で告白、濃厚エッチ!! 裸で始める彼女選び』
これが今回紹介する作品である。タイトルからIQが感じられなくてとてもいい、この暗い世の中にピッタリだ。
漫画家兼コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。近年は切れ味するどいコラムでも人気。『ひとりでしにたい』『負ける技術』『生き恥ダイアリー』など著書多数。一日68時間(諸説あり)のツイッターチェックを欠かさない。
株式会社KADOKAWA発のアダルトライトノベル。300点を超える官能小説をデジタル初出で配信中。全作品が電子書籍なのでBOOK☆WALKER、Amazon、DMMなどいろんなサイトですぐ購入できます!
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