「君はなにフェチ?」
そう聞かれたら「男性のヘソの周りに生えている毛が好きですね。ただし『陰毛とつながっている』ことが条件です。陰毛とつながっていることにより『ヘソ毛だが実質陰毛』となっている点にロマンと可能性を感じます。昔はこの毛を「ギャランドゥ」と呼んでいたのですが、万人に通じなくなってきているので、そろそろ新しい呼び方を考える局面にきているのではないでしょうか」とひとりがけソファに半ケツで座り、若干早口で答えるが、さすがに気ごころの知れていない奴にそう答えるのは気が引ける。
むしろ、気ごころの知れていない相手にそんな質問をする方がおかしい。
いきなりそんなことを聞くような奴はいないだろう、と思うかもしれないが「ちょっとエロい質問をするのが距離を一気に縮めるコツ」というのを鵜呑みにして、初対面の酒席などで聞いてくる奴がたまにいるのだ。
当然、居酒屋の個室の扉に「ヤリコンご一行様」と貼られている会でなければそんな質問はしない方がいい。
そういう会だったら逆に「好きな動物は?」とか聞いている場合ではない、それも性的意味での質問なのかもしれないが、動物愛護的にマイナスイメージである。
とにかく、よく知らない相手に性的な質問はよくないし、それへの回答に難色を示した相手に「ノリ悪いよーw」とか言うのはなお悪い。
「リョナ趣味がある」という返答とともに首を落とされても文句は言えない。
よって、そういう質問をされても素直に答える義理はないのだが、黙ってしつこくされても面倒なので、話を早く終わらせるために「男の人のごつごつした指が好き」とか「血管が浮いてる腕にセクシーさを感じる」など、もっともらしいうえに無難な「ダミーフェチ」を出す場合もある。
ちなみに「指」や「血管」はよく女のフェチダミーに使われるので、本当に血管でコいている人にはいつも申し訳ないと思っている。
男の無難なフェチと言えばやはり「胸」だろうか。
「やっぱ、おっぱいっすかね~」と言っておけば「健康優良男子~完~」であり、「アナルのヒダの本数が基準値以下の女性は残念ながら…」とメガネのブリッジを押さえる男よりは警戒されない。
しかし、おっぱいが好きな男性は実際多いようで、オシリス文庫も胸を強調した女子が表紙を飾っている作品が多く、少なくともアナルのヒダを強調した表紙よりはメジャーである。
だが「おっぱい」といってもいろいろある。
「巨乳」は永遠のエロ界センターかもしれないが「貧乳」がなければ「巨乳」もなにと比べて「巨」なのかという話である。
よって「貧乳」も、巨乳という概念を支える存在として根強い人気がある。
そして今回紹介するのはヒロインが「貧乳」の作品だ。
『香港銀奇譚 中華邪仙ド貧乳エルフ師匠を性的にこらしめるやつ』
これが今回とりあげる作品だ。
漫画家兼コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。近年は切れ味するどいコラムでも人気。『ひとりでしにたい』『負ける技術』『生き恥ダイアリー』など著書多数。一日68時間(諸説あり)のツイッターチェックを欠かさない。
株式会社KADOKAWA発のアダルトライトノベル。300点を超える官能小説をデジタル初出で配信中。全作品が電子書籍なのでBOOK☆WALKER、Amazon、DMMなどいろんなサイトですぐ購入できます!
(編集部注:全年齢向けです。FANZAでは配信しておりませんのでご注意ください)