これを書いているのが2021年3月26日、某有名モンスター狩りアクションゲームの発売日であると同時にこの原稿の締め切り当日でもある。
私もこの狩りゲームはやっていたことがある。
まだ会社員だった頃、会社の人の前でこのゲームの名前を口に出したら、その場で拉致、ゲームショップに連れていかれ「半額出すから」とその場でゲームを買わされた。
今まで私がやっていた「布教」がいかにヌルいものだったか思い知らされる出来事であった。
私は正直アクションゲームが大の苦手なのだが、このゲームはそれでもしばらく続けた。
なぜならこのゲームでは、おキャット様、つまり猫によく似たキャラクターをお供にできるからだ。
自分のアバターには興味が全くなく、全裸に絆創膏でも貼っていればいいが、この猫キャラのカスタマイズをしたくてしばらくがんばった。
しかし猫への感情があまりにも巨大になりすぎ、猫がモンスターに攻撃されるのに耐えられず「やめろよ! やるなら俺をやれよ!」と、乳首に貼っていたセロハンテープを投げつけながらモンスターを追いまわすなどの精神崩壊を起こしたため引退した。
この猫キャラは、造形の愛くるしさもさることながらこちらを「旦那さん」と呼んでくるからたまらない。
さらに利害だけでなく、どうやら本当にこちらを慕ってくれているようなのだ、この股間にガムテープを貼ってはがせなくなっているこの俺を。
こんな愛しい生き物を危険な冒険で使役しようとは、やはり人間は愚か、本日多くのハンターたちがモンスターを狩りに出発していると思うが、私は人間を狩りにいく。
※絆創膏、セロハンテープ、ガムテープは実際のゲームにはたぶんでてきません(編集部じゃない注)。
話が壮大になりそうなので、このあたりにしておくが、創作には「主従」というジャンルがある。
貴族と召使のように、主人とそれに仕える者との関係性を軸にした話だ。
いわゆるビジネスの関係だが、それ以上の感情が芽生えたり、芽生えても身分差で気持ちを押し殺したりするところがエモいジャンルだ。
私もなにを隠そう「主従萌え」がある。
ちなみに「女主人と仕える男」キメ打ちで「下剋上」は地雷である。
物語が進むにつれ主従が逆転してしまったり、恋人関係になった途端、今まで敬語だった男がタメ口になったりした日には、ショタキャラの成長を目の当たりにしたショタコンの如く怒りだすし、地球を滅ぼす
おっとと、拙者ついつい早口になってしまったでござるが、そろそろ今回紹介する作品の話をしたいでござるが、各々よろしいか。
男性向けジャンルで人気の主従といえば、ダントツで「ご主人様とメイド」ではなかろうか。
現実世界でも「メイド喫茶」が流行して久しい。当時はメイド喫茶勤務志望が多すぎて、無償で働くメイドも現われたほどである。
オタクの脚をマッサージしながら「人に奉仕するのが好きなんで嬉しいです」とテレビのインタビューに答えていた彼女は今元気だろうか。
そしてアダルト界でも「メイドに性的な奉仕をさせる」というジャンルは根強い人気がある。
『楽しい貴族生活! 異世界で親娘丼ハーレム』
これが今回紹介する作品である。
漫画家兼コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。近年は切れ味するどいコラムでも人気。『ひとりでしにたい』『負ける技術』『生き恥ダイアリー』など著書多数。一日68時間(諸説あり)のツイッターチェックを欠かさない。
株式会社KADOKAWA発のアダルトライトノベル。300点を超える官能小説をデジタル初出で配信中。全作品が電子書籍なのでBOOK☆WALKER、Amazon、DMMなどいろんなサイトですぐ購入できます!
(編集部注:全年齢向けです。FANZAでは配信しておりませんのでご注意ください)