サンタはいないし、 あんパンは正義のために戦わず「俺の顔面を食え」とカニバリズムを要求してもこない。
そして自分はコウノトリが運んできたわけではなく親父のキンタマから発射された存在である。
人間は成長とともに、この世には「フィクション」というものがあり、それが現実とは違うものだと理解していく。
しかし理解するためには正しい教育が必要だ。
「子どもが真似したらどうする」と、ケツに空気を入れるバラエティ番組に抗議をいれてやめさせる前に「これは実際にはやってはいけないことだ」と自分が子どもに教えることが大事である。
我が子への教育を他人任せにせず、自ら「素人がケツに空気を入れようとしてはいけない」、そして「お前はお父さんのキンタマから発射したものがお母さんにヒットした衝撃で股間から飛びでてきた存在だ」ということを、わかりやすく丁寧に教えてあげよう。
日本の保健体育教育は遅れ過ぎているので、周りの大人たちにかかっているのだ。
ただ「ケツに空気を入れる」という行為は子どもではなく大人が真似をして定期的に痛ましい事故が起こっている。
むしろ大人の方が道具を用意できる機動力があるため、子どもが真似するより、ダイナミックな結果になりやすい。
まさかそんなことはしないだろうという楽観を下方向に越えてくるのが人間というものなので、真似をすると危ないことは最初から出すなという気持ちもわかる。
現実で真似をしてはいけないといえば「AV」もそうである。
AVで挿入している穴は架空のもので実在の穴や団体とは関係ない、という意味ではない。
AVというのはSNSが生まれる何十年も前から「映え」を最重要視している世界なのだ。
女優の体がよく見えるように無理がある体位をしたり、激しすぎる手マンやピストンをしたり、そして最後には顔にかけたりする。
全ては見映えのためにプロがやっていることで、現実で素人がやると相手に苦痛を与え、嫌われることばかりなのだ。
オシリス文庫作品には海外AVのようにアナルセックスがメニューのひとつとして普通に組み込まれていることが多いが、おそらくアナル未経験者同士が「思い立ったがアナル!」という感じでツッコんでうまくいくものではない。
それなりの知識と準備が必要だと思われる。
「エロラノベではいきなり挿れても大丈夫だったし彼女もご満悦だった」ということを真に受けてやると、相手はもちろん、自分もダメージを受けてダブルKO、そして破局もやむなしになってしまう。
エロ創作と現実は違う、ということを学ぶのも人間の成長過程のひとつということだ。
その成長過程の中に「時間停止モノがフィクションと知って驚く」というものがある。
そんな奴いねえよ、と思うかもしれないが、そういう油断が事件や事故を招くのだ。
時間停止モノとは、時間を停止、つまり自分以外の人間を動かない状態にし、そのあいだに好き放題するというジャンルだ。
相手は停止しているので、こっちがハッスルしているあいだ全くの無反応だったりするのだが、この「無反応」が好きという人もいるのだ。
世の中には嬢が「無反応」を売りにしている「ロボットデリヘル」なるものもあるらしい。
このように、異世界転生ものは現在でも大人気だが、舞台は現代のまま突然超能力が使えるようになったり、魔法のアイテムを手にしたりする「日常に異能力」も根強い人気がある。
国民的アニメである四次元腹袋を持った青おキャット様もその一派だ。
しかし青おキャット様を手に入れたのが、一応根は善人とされている小学生だったので大事には至っていないが、AVで時間停止能力を手に入れた奴が即エロいことをしようとするように、異能力やアイテムを手に入れた人間がクズだととんでもないことになってしまう。
「セックスノート」
担当から送られてきた原稿依頼メールの冒頭にそう書かれていたので「タイトルが長くなりがちなラノベ界においてなんという潔さ」と驚愕したが、これがタイトルというわけではないらしい。
ただ今回紹介する作品をひと言でいうとそうなるようだ。
『あの子の“人生日誌” クラスメイトの人生を改変してエロい関係を築き上げる話』
これが今回紹介する作品だ。
漫画家兼コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。近年は切れ味するどいコラムでも人気。『ひとりでしにたい』『負ける技術』『生き恥ダイアリー』など著書多数。一日68時間(諸説あり)のツイッターチェックを欠かさない。
株式会社KADOKAWA発のアダルトライトノベル。300点を超える官能小説をデジタル初出で配信中。全作品が電子書籍なのでBOOK☆WALKER、Amazon、DMMなどいろんなサイトですぐ購入できます!
(編集部注:全年齢向けです。FANZAでは配信しておりませんのでご注意ください)