前にも2019年度版を紹介したが、某エロマンガサイトが都道府県別にその年いちばん検索されたワードの2020年度版を発表した(編集部注:komiflo集計)。
一見全くいらない情報のように見えるが、必ず「それ、はやったか」という言葉が2~3個ねじ込まれている流行語大賞よりも、ある意味リアルな世相を反映している。
まずいちばん多くの都道府県で検索されたワードがなにかというと「人妻」であり、7つもの県でトップをもぎ取っている。
今この瞬間も、向かいにいる神妙なツラでスマホと対峙しているビジネスマン風の男が検索ボックスに「人妻」と入力している可能性は充分にあるということだ。
これは昨今の「不倫」に対する風当たりの強さを反映しているのかもしれない。
昔であれば、浮気は男の甲斐性などと、男の不貞はなんとなく大目に見られてきたが、そんな時代は終わった。
不倫をした男性芸能人が仕事を全部干されたうえに世間にミンチ状にされているさまを見れば「人妻」というものが安易に手を出していいものではない、というのは一目瞭然である。
またこれは日本の深刻な少子高齢化も関係しているのかもしれない。
いくら日本の男は若い女が好きと言っても、己の娘と同年代の女には劣情を抱きづらい、それよりは「娘の同級生のお母さん」の方が、身近でアットホームな存在になってくる。
実際「JK」が1位の県はふたつしかなく「ギャル」も同じくふたつに留まっており、ズバリ「不倫」が1位な県もふたつほどある。
つまり、昔はそれほど珍しくもなかったものが、数が少なくなったり、規制が厳しくなったりすると急に価値が高騰しだすという社会の理(ことわり)を見事表わしていると言える。
だがそれよりも括目すべきは「ショタ」が1位にきているところがふたつもある、ということだ。
もちろん女性ユーザー票かもしれないが、男性票も多分(たぶん)に含まれているとしたらかなり「はじまっている」と言える。
さらに「女性上位」が1位なのが3県、そしてみんな大好き「淫乱」も手堅く4議席を確保している。
そしてもうこれはもう今男性がなにを求めているか正解を言っているに等しいが「お姉さん」が1位の県もある。
ここから導き出される答えはひとつ、もはやチャラ男や屈強な外国人に貞淑だった彼女や妻をNTRされるのはもはや古い。
これからは、自分がカワイイ男の子になって、淫乱なお姉さんに責められアヘ顔ダブルピースをさらすのがいちばんクールな時代がやってくる、ということだ。
こうなるとトップの「人妻」も無関係ではない。「大学進学を機に始めたひとり暮らし、お隣さんは夫が単身赴任中の巨乳人妻で……」など献立はいくらでも立ち上がってくる。
今回紹介するのは、そんな時代の最先端を先取りするような作品だ。
『正義の戦隊ヒーロー内でただひとりの男、レッドの苦悩』
漫画家兼コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。近年は切れ味するどいコラムでも人気。『ひとりでしにたい』『負ける技術』『生き恥ダイアリー』など著書多数。一日68時間(諸説あり)のツイッターチェックを欠かさない。
株式会社KADOKAWA発のアダルトライトノベル。300点を超える官能小説をデジタル初出で配信中。全作品が電子書籍なのでBOOK☆WALKER、Amazon、DMMなどいろんなサイトですぐ購入できます!
(編集部注:全年齢向けです。FANZAでは配信しておりませんのでご注意ください)