アダルト業界において「メス堕ち」や「快楽堕ち」などの堕ちもの系は常に一定の人気を誇っている(編集部注:オシリス文庫は全年齢向けレーベルです)。
女騎士など、強い肉体に高潔な精神を持った者が、快楽に敗れメスと化す瞬間こそがあの日見た虹よりもエモーショナルだ、という考え方である。
ちなみに「メス堕ち」という言葉は男にも使われるということは覚えておいて損はない、だが得もない。
中には「メス堕ちは男がするもの」という認識の人もおり、そういう人にとっては「女がメス堕ち」というのは「頭痛が痛い」くらい不可解な日本語だという。
またエロにも種類があるように勃起にもジャンルがある。
「ウヒョー! パイオツカイデーなチャンネー!」と口笛を吹きまくる、心も股間も上向きな「陽勃起」もあれば、涙とカウパーが同量出てしまい脱水症状で点滴を打ちにいかなければいけない「鬱勃起」も存在する。
鬱勃起したい時に処方される代表といえば「NTR」であり、それに併用されがちなのが「○○堕ち」である。
処方例としては「貞淑な妻がチャラい後輩に寝取られてメス堕ちダブルピース」などが一般的だ。
つまり鬱勃起したいなら、高潔だけどなんの思い入れもない今日が初対面の女騎士さんが快楽堕ちする姿を見せられても意味がなく、高潔かつ「自分の大事な人」が堕ちるさまを見せられてはじめて心身ともに堤防が決壊するのである。
そんなわけで「NTR堕ちを見せられていちばん悲しいポジは誰?」という質問を脳内の俺100人にしたところ、多くの俺が「やっぱ貞淑な妻だろう」「いやまだ手もつないでいない、つきあいたての彼女だね」と主張し議会は騒然としたのだが、その中のひとりが「幼馴染」と言った瞬間、あたりが静まりかえった。
そんなわけで今回堕ちてしまったヒロインは主人公の「幼馴染」である。
『幼馴染は闇堕ち聖女!』
漫画家兼コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。近年は切れ味するどいコラムでも人気。『ひとりでしにたい』『負ける技術』『生き恥ダイアリー』など著書多数。一日68時間(諸説あり)のツイッターチェックを欠かさない。
株式会社KADOKAWA発のアダルトライトノベル。300点を超える官能小説をデジタル初出で配信中。全作品が電子書籍なのでBOOK☆WALKER、Amazon、DMMなどいろんなサイトですぐ購入できます!
(編集部注:全年齢向けです。FANZAでは配信しておりませんのでご注意ください)