「セックスしよ?」
これは今から30年ほど前に放送された某トレンディドラマでヒロインが発したセリフである。
あまりに大胆かつ斬新、それでいて核心を突くお言葉、そしてこれを言ったのが当時人気の若い美人女優だったこともあってか、このドラマは最高視聴率30%超えの大ヒットとなった。
上記のセリフも「ゲッツ!」感覚で言っていいことではないので流行語大賞とはいかなかったが、当時真似して男を誘ってみた女、勘違いドブスさんに言われて10キロ台のダイエットに成功してしまった男、そして親と一緒に見ていた子供がクラスで真似をしたことにより、その言葉がブーム化し学級崩壊したクラスなど、影響はいろいろあったと思われる。
それから30年、このドストレートな誘い方が一般化したかというと、いまだにはっきり言わずに流れでベッドイン、あとでガタガタ言いだす男女が少なくないありさまだ。いったい我々は30年間なにをやっていたのか。
そういう回りくどさこそが楽しいのかもしれないが、迂回に迂回を重ね、道中どれだけコンビニに寄ろうが最終的に必要なのは上記の「セックスしよ?」である。
まず自分がなにをしたいかを明確にしているため、あとで「そんなつもりじゃなかった」が発生しない。
また希望を伝えながらも強制ではなくあくまで提案の段階であり、相手に可否を示す機会を与えている。
さらに返答はイエス or ノーだけですみ、意思表示が苦手な奴でも答えやすい親切設計だ。
「性的合意」の重要性が叫ばれるこの世の中において「セックスしよ?」はマストな言葉と言える、これから社会人に必要なのはホウ・レン・ソウ・セックスしよ? である。
このドラマは今回紹介する話とは全く関係ないのだが、なぜか読んでいて猛烈に思い出してしまった。
『恋人契約しませんか? -デレツンお嬢様と社畜の俺-』
漫画家兼コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。近年は切れ味するどいコラムでも人気。『ひとりでしにたい』『負ける技術』『生き恥ダイアリー』など著書多数。一日68時間(諸説あり)のツイッターチェックを欠かさない。
株式会社KADOKAWA発のアダルトライトノベル。300点を超える官能小説をデジタル初出で配信中。全作品が電子書籍なのでBOOK☆WALKER、Amazon、DMMなどいろんなサイトですぐ購入できます!
(編集部注:全年齢向けです。FANZAでは配信しておりませんのでご注意ください)