「着替えの最中にこんな災難に巻き込まれるなんて、彼女はなんて不幸なんだ」
これは日本のパニック系アクションゲームのヒロインのコスチュームを見た外国人の反応である。
フィクションの世界では、女が男と同等以上の戦闘力を持ち戦いに参加することは決して珍しいことではない。
だが彼女たちは、戦闘力は十二分でも「装備」に関してはクソ雑魚ナメクジな時がある。
現実でも危険な場所に行く時や危険な作業を行なう時は「肌の露出がない服装」にするのが基本中の基本だ。
暴漢に襲われている時、駆けつけてきた警察官たちがビキニアーマー姿だったら「助かった!」と思うだろうか、余計に「誰か助けて」だろう。
しかしゲームなどのヒロインたちは、暴漢よりも恐ろしいモンスターの前にその姿で参上するし、それに対してモブたちは「助かった!」と心の底から安堵するのだ。
彼女たちは決して着替えの途中で召集をかけられたわけではない、むしろ「そんな装備で大丈夫か?」という問いに「いちばんいいので頼む」と答えた結果のビキニアーマーなのだ。
だが正直、バトルヒロインたちが戦闘どころか社会生活に適してない格好をしていることに対し突っ込むのは野暮でもある。
フィクションにおいてビジュアルは最重要だし、全員がその場に適した防護服とガスマスクを着用していたらキャラの見分けすらつかないし、なにより描くのが大変だ。
漫画家をやっている以上、己(おのれ)の首を絞める主張はできない。
しかし、現在こういった女性キャラの際どい衣装に対する風当たりも強くなっている。
少し前だが、某ソシャゲでデフォルトで布面積がおにぎり1個も包めなさそうなビキニを着ていた女性キャラにその後、追加コスチュームで「甲冑」が与えられていたのも、なんらかの抗議があったせいかもしれない。
着替えの最中に飛びでてきたようなヒロインの姿を拝めるのも今のうちかもしれない。
今回紹介する作品もそんな世相を反映している、わけではないと思うが、戦うヒロインのコスチュームに関する話だ。
『私の仕事はピチスー開発』
漫画家兼コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。近年は切れ味するどいコラムでも人気。『ひとりでしにたい』『負ける技術』『生き恥ダイアリー』など著書多数。一日68時間(諸説あり)のツイッターチェックを欠かさない。
株式会社KADOKAWA発のアダルトライトノベル。300点を超える官能小説をデジタル初出で配信中。全作品が電子書籍なのでBOOK☆WALKER、Amazon、DMMなどいろんなサイトですぐ購入できます!
(編集部注:全年齢向けです。FANZAでは配信しておりませんのでご注意ください)