異世界ものもやり尽くした、と言われて3年ぐらい経った気がするがその勢いはいまだに衰えていない。
先日某ウェブ漫画サイトを見ていたら、べつにファンタジーレーベルでもないのに半分以上が異世界ものになっていた。
普通少年誌で10作品中の5作品がサッカー漫画になっていたら誰か止めるはずである、もはや異世界ものに関しては「かぶり不問」になっているようだ。
ネットに出現する転生漫画バナーを見るに、最近の女性人気は「前世で自分をコケにした女に復讐する」から「悪女である自分を捨ててカマトトヒロインと浮気したクソ婚約者の男に復讐する」にシフトしたような気がする。
どちらにしても主人公の幸せより、敵の不幸が見たいという一貫した姿勢が頼もしい。
だが最近はあまりにも異世界転生がメジャーになりすぎたため「異世界転生する方も異世界転生のシステムを熟知している」というメタ構造も発生している。
むしろ異世界転生して「どこだよここは」と驚き、突然現われた女神に「誰だよあんた」と言う主人公の方がわざとらしい。「現代日本から転生してきて異世界転生を知らないなんて監獄にでもいたのか」と思ってしまう。
よって、異世界転生に驚くでもなく、女神の難題に唯々諾々と従うわけでもなく、むしろ異世界転生を自分の欲望を叶えるのに利用しようとする主人公も増えてきている。
そろそろ異世界転生させる側も「人選」という言葉を覚えた方がいい気もするが、どうやら現在の方針は「数を打てば当たる」のようだ。
今回の主人公も「異世界転生」を熟知しており、どうせなら楽しんでしまおうというタイプである。
『辺境のむちむち爆乳シスターを催眠でゆっくりとラブラブ孕み袋にして幸せに暮らす話』
漫画家兼コラムニスト。2009年に『クレムリン』で漫画家デビュー。近年は切れ味するどいコラムでも人気。『ひとりでしにたい』『負ける技術』『生き恥ダイアリー』など著書多数。一日68時間(諸説あり)のツイッターチェックを欠かさない。
株式会社KADOKAWA発のアダルトライトノベル。300点を超える官能小説をデジタル初出で配信中。全作品が電子書籍なのでBOOK☆WALKER、Amazon、DMMなどいろんなサイトですぐ購入できます!
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